一連の拉致に、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)はどれだけ深くかかわったのか。その追及なしには、事件の構図に迫ることはできない。
実行グループの工作員が所属していた東京・品川区の貿易会社「ユニバース・トレイディング」は、朝鮮総連で実権を握っていた当時の第1副議長が設立した会社だった。指揮役の女は同社の役員をしており、会社そのものが北朝鮮の工作機関の顔も持っていた。
拉致事件で、朝鮮総連の名前が出たのは初めてではない。80年に原敕晁(ただあき)さんが拉致された事件では、総連傘下の在日本朝鮮大阪府商工会の元会長らが関与していた疑いがあるとして、警視庁が同商工会などを捜索している。
警察庁の幹部が「北朝鮮は以前から秘密工作員を密入国させ、スパイ活動などを行ってきた。朝鮮総連関係者が関与したいくつかの事例がある」と国会で答弁したこともある。
どれだけ国内で不法活動が行われ、また行われつつあるのか。さらに厳しく捜査を続けていく必要がある。